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2022年12月25日更新

患者様の声 : 親知らず・歯の移植・自家歯牙移植編(上顎洞挙上術併用ケース) Tooth Autotransplantation combined with sinus floor elevation technique 50代 女性

   

東京都 調布市 京王線 柴崎駅南口正面 あきら歯科 院長 伊藤 玲です。

自家歯牙移植術 (上顎洞挙上術併用ケース) Tooth Autotransplantation combined with sinus floor elevation technique 50代 女性 患者さまの声

右上第一大臼歯の歯根破折にて当医院初診。
右上奥歯の歯根破折により、歯根破折と汚染度が著しく保存不可能と判断し、抜歯の必要性があることをご説明し、レントゲン検査、CT検査などの結果、ご相談の上、保存不可の歯(右上6)を抜歯後に右上に存在する親知らず(右上8)を抜歯し、親知らずの歯を活かして、自家歯牙移植術を行なうこととなった患者様です。また骨量が不足し上顎洞挙上術を併用し移植処置を行いました。

患者さまアンケート

Q1.治療前のお口の状態で気になっていた事はどのようなことでしたか?

A1. 親知らずを抜かなくてはいけなくなり、入れ歯をささえる歯に負担がかかってきていたこともあり、治療をお願いしたが、移植が成功するのか?上手に噛めるようになるのか? 

Q2.治療完了後の状態は、治療前と比べていかがでしょうか?

A2. 現在状態が落ち着いているので、6ヶ月程度後まで良い状態で進むと良いと思っている。

Q3. 自家歯牙移植手術は、術前に想像されていたお痛みや腫れと比べて受けられた後の感覚としては、痛みや腫れはいかがでしょうか?

A3. 想像通り、サイナスリフトが不安でもあったが、先生を信頼しておりました。骨を何回削るかつい数えてしまいました。

自家歯牙移植術 手術経過

親知らずがむし歯になっていて、抜歯が必要となっていたため、この親知らずを欠損部に移植することで咬合機能の回復を目指します。

骨量が不足しているため、移植歯が安定するために上顎洞洞底粘膜を挙上し骨移植を施して増骨を図ります。

CT検査で、3次元的に移植ドナー歯のサイズや移植床の骨量、骨幅など必要箇所を計測し事前に検査・検討します。

歯肉切開剥離すると、既存骨が見えます。

移植ドナーの歯が埋入できるように、ホール形成します。

上顎洞洞底粘膜を露出させて剥離挙上します。

上顎洞洞底粘膜が露出し、呼吸のタイミングで粘膜が動くことが解ります。洞底粘膜が裂けるようなことがなく、既存骨と洞底粘膜との間に移植骨を填入できるように剥離を進めます。

移植ドナー歯:むし歯はあるものの、歯根周囲に歯根膜の存在を認めます。むし歯部分は生着が確認できた時点、根管治療時に除去・削合します。

同側の下顎枝部分を切開し自家骨を採取します。

採取した自家骨:

自家骨と人工骨を混合し必要量を確保します。

移植骨を填入し、上顎洞洞底粘膜を挙上します。

移植ドナー歯を試適します。

移植ドナー歯の歯冠部分を削合し、対合する歯との接触をしないように、やや深めに埋入できるように調整します。

歯冠部分を削合した後に、埋入位置に安定するか試適し確認します。

移植ドナー歯を縫合固定し、手術終了。

レントゲン・CT検査で上顎洞洞底粘膜の挙上・骨増成することができたことを確認します。

手術後3週間経過:根管治療を開始します。

根管充填処置完了後レントゲン写真:移植骨が維持され、移植ドナー歯の生着が確認できます。
土台(ファイバーコア)を築盛し、仮歯を装着して1ヶ月ほど経過をみます。

術後3ヶ月経過:最終補綴物(ジルコニアオールセラミッククラウン)の装着をします。

院長コメント

右上の親知らず(8番目)を右上6番目のところに歯牙移植手術をして、修復処置・咬合機能回復いたしました。欠損部分に入れ歯を使っていたこともあり、自家歯牙移植術により入れ歯よりもはるかに違和感の少ない修復処置で機能回復することができました。親知らずがむし歯になっていることから治療の必要がありました。この機会に入れ歯を回避し自分の歯で噛めるようになる自家歯牙移植術が可能か検討を進め、資料採取し患者様とよく相談の上、自家歯牙移植術を行うことと致しました。また、骨量が不足し上顎洞挙上術を併用し移植処置を行いました。

欠損部分に対して、インプラント治療などで対応することよりも、可能性が少しでもあるのなら『自家歯牙移植術』の選択を考えてお勧めしました。但し、対象部位の骨吸収が著しく、親知らずの状態も必ずしも良い状態ではありませんでした。
機能していない親知らずの歯を抜歯して、移植することで中の神経は壊死してしまうので根管治療(根の治療)と補綴処置(被せ物)は必要となりますが、ご自身の歯根を維持して機能回復することができる『自家歯牙移植手術』と修復処置が無事に終了して、十分な機能回復ができて嬉しく思います。

また、今回の自家歯牙移植術においては、骨量が不足したため上顎洞挙上術を合わせて行う必要があり、難易度の高い治療でありました。上顎洞挙上術を行っているため、内部の骨硬化に時間がかかるため、術後6ヶ月は注意・経過観察が必要と考えます。

自家歯牙移植術に対して十分にご理解頂き、円滑に治療を終えることができました。引き続き定期的な診察、口腔ケアで口腔内の環境を整えて、できるだけ長く良い状態を維持できるように予防に努めて頂きたいと思います。そして、今回の『自家歯牙移植術』を通して、『歯の大切さ』を感じて頂けたかと思います。

『自家歯牙移植術』を受けられた患者様の多くは、このような欠損部に対して大切な歯が元に近いような状態に戻ることで、歯への関心と大切さへの理解が深まります。そして、予防意識が高まります。それが最大の治療効果と考えます。日々のご自身でのプラークコントロールの改善にもつながることを期待しております。このような良好な結果を実現できると患者さんと共に感動の場面を共有できることが歯科医師として嬉しく、やりがいを感じる次第です。当医院では、インプラント治療も行っています。インプラントは人工物でありますが、機能回復をするには良い治療法と考えています。しかし、自分の歯の移植が可能であれば『自家歯牙移植術』を選択肢に入れることは大変効果的な治療であると考えております。

歯に対する関心も向上し、歯の大切さを感じて頂き、歯科医院での定期的なメインテナンスの重要性をご理解頂けたことに嬉しく思います。
患者さまご自身も元の歯の感覚のように戻ったことで、違和感なく過ごして頂いているようです。今後は、しっかりとメインテナンスを継続していただければ幸いに思います。

詳しくはこちらをご参照下さい。

自家歯牙移植術(歯の移植)とは?

https://www.akira-dental.com/ishoku

 


あきら歯科

〒182-0007 東京都調布市菊野台2-22-2 サンメディカルビル1F
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新宿から24分 明大前から15分 調布から5分

https://www.akira-dental.com


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