保険治療でも、マイクロスコープを使用します
- 「できるだけ歯を削りたくない」
- 「できるだけ歯を抜きたくない」
- 裸眼では見えなかった小さなヒビなども見つけることができるため、より正確な診断ができる。
- 虫歯の部分と正常な部分の見分けがしっかりできるため余計な歯を削る必要がなく、治療を最小限にとどめることができる。
- 詰め物やかぶせ物を入れる際も、拡大視野で適合をチェックすることで精密な被せ物や詰め物を入れることができる
- 根管治療の時のなど、肉眼では見えない根管内の状況がしっかりと見えるため、勘や経験に頼らずに確実な治療ができる。
- 審美歯科治療の際には数十ミクロン単位の高いレベルで精度を合わせることができる
- よりご自身の歯に関心を持っていただき、適切なケアを行えるようになる。
- 患者さまに現状を説明・確認しながら治療を進めることができるため、過剰な治療(オーバートリートメント)が防げる
治療は必要最低限
当院に寄せられる患者さまからの要望として、とても多いご要望です。
当院では、当初から、サージテル高倍率ルーペを使用した7~10倍の拡大視野での精密治療にこだわり続けておりましたが、このような患者さまのニーズの高まりもあり、2016年10月より、21.3倍まで拡大できる歯科用マイクロスコープの導入をいたしました。
裸眼での治療の場合、虫歯の取り残しをなくすために、肉眼で見えるところまで大きく削りとる必要がありましたが、高倍率の拡大視野の場合、虫歯と健全な歯の境目までくっきりと見えますので、虫歯の部分だけを取り除くことが可能です。
当院では、保険治療であっても、必要な方には、マイクロスコープを使用した治療を提供しております。
※上記設備を2台保有しておりますが、限られた時間の中など、全ての診療において本技術をご提供できるものではございません。予めご了承のほど宜しくお願い致します。
なぜ、保険内でマイクロスコープを使うのか
「今まで以上により見えること、今まで以上により見せられること」
これが、私が保険治療でもマイクロスコープを使う理由です。
まず、術者側がより「見える」と・・・
そして、患者さまにより「見せられる」と・・・
生まれ育った地元の人に、より質の高い治療を受けていただきたい
保険治療でマイクロスコープを使って、どんなに時間をかけて、精密さにこだわって、丁寧に治療をしたからと言って、国からもらえる報酬は一緒です。
通常1日20人の保険患者さまを診れるところ、精密さにこだわってしまったがゆえに5人の保険患者さましか診れなくなってしまったら、経営的に、医院を存続することが出来なくなってしまうのです。
マイクロスコープを使用すると、作業が繊細になる分、どうしても、時間も多くかかってしまいます。マイクロスコープを使用する場合は自費治療、というのは、医院経営上、仕方のないことだと思います。
とはいえ、それでは、一部の限られた人しか質の高い治療を受けることが出来ない。という事になってしまいます。
生まれ育った地元で開業したからには、地域に根差した治療がしたい。
より多くの人に、より自分の歯に関心を持ってもらい、より質の高い治療を受けていただきたい。
時間と資金が許す限り、私はたとえ保険治療であっても、精密な治療にこだわりたいと思っております。
「精密な治療は受けたいけど、自費治療はハードルが高い。。。」
そんな風にお考えの方は、是非、当院へご相談ください。ご期待に応えられるように努めています。
最小限の治療のために。もっとできること
マイクロスコープを使用して削る量を最小限にすること以外にも、なるべく治療を最小限にするためにできることがあります。それは、虫歯の再発を防止することです。
実は、日本の虫歯治療の大半が治療のやり直しだと言われています。みなさんも、治療をして完治したはずの歯が、また虫歯になってしまった、、というご経験をお持ちなのではないでしょうか?
歯科治療は、治療を繰り返せば繰り返すほど、歯を失う可能性が高くなってしまいます。大切な歯を守るためにも、「再発させない」ことはとても重要なことなのです。
的確な診断
虫歯は、目に見えているところだけにできるとは限りません。
銀歯の下や、歯と歯の間、奥歯の溝の深い部分など、目では確認できないところでも、虫歯が進行してしまっている場合も多くあります。
また、虫歯を発見して削り取った後でも、その歯にわずかでもヒビが入っていたりすると、その小さなヒビから虫歯菌が侵入し、また虫歯になってしまいます。
重要なことは、噛み合わせや歯ぎしりなどの秘められたリスクを洗い出し、回避すること。
「削らない」ことも大事ですが、歯の寿命を延ばすためには「削るべきところをしっかり見極め、しっかり削る」ことも、とても重要なことなのです。
精密な歯科技工
虫歯の再発箇所でもっとも多いのが「つめ物やかぶせ物と、歯との間の隙間」です。
一見、ピッタリと合っているように見えるつめ物やかぶせ物であっても、ミクロン単位の視野でみるとわずかな隙間が生じてしまっていることがあります。
こういったわずかな隙間からでも虫歯菌はどんどん侵入し、中で繁殖していくのです。
上記のような虫歯の再発を防ぐためには、ミクロン単位でピッタリ適合した、隙間のない、つめ物やかぶせ物を作成することが必要です。
技工士さんは、患者さまのお口の中を再現した歯型の模型をベースに、つめ物やかぶせ物を作成します。
つまり、このベースとなる歯型の模型が、精密に患者さまのお口の中を再現できていないと、どんなに腕の良い技工士であってもピッタリと適合する技工物は作れないのです。
当院では、模型の作成の際にも必ず7〜10倍のサージテル高倍率ルーペを使用し、細かな凹凸がないか等を念入りにチェックしております。
★Point★精密なかぶせ物は虫歯や歯周病のリスクを軽減させる
歯と歯茎の境目は、もともと歯垢や歯石がたまりやすい場所です。
ピッタリと合っていないかぶせ物を作ってしまうと、そこに溝が生じ、歯垢や歯石をさらにたまりやすくしてしまうことになります。そしてその結果、虫歯や歯周病を誘発し、再治療が必要となってしまうのです。
ピッタリと合った精密なかぶせ物を作成するには、型取りの際に、歯と歯茎の境目がどこなのか、はっきりとわかるように型を取る必要があります。
そこで活用されるのが「歯肉圧排」というテクニックです。
歯肉圧排とは、歯と歯茎の境目の部分に「圧排糸」という専用の糸を挿入し、歯と歯茎の境界部分をはっきりと分け、正確な型取りをしやすい環境を作るテクニックです。
この状態で型を取ると、歯と歯茎の境目がはっきりとわかる模型を作ることができるため、作り手の歯科技工士により正確な情報を伝えることが可能です。
少し手間のかかる、患者さまには伝わりにくいテクニックではありますが、このような作業も手を抜かずにしっかりと行うことが精度の高い技工物をつくるポイントなのです。
精度の高い技工物を作成するには、なにより技術力の高い歯科技工士さんの存在が不可欠です。当院では、保険診療から自由診療まで、すべての技工物を、当院から徒歩1分の場所にある提携技工所に委託しております。
近年は、金属を使用しない技法であるメタルレスな修復処置が主流になり、優れた生体親和性と非常に高い強度から、審美歯科治療にジルコニアや酸化アルミナというセラミックを使用するケースが増えてきていますが、新しい材質なだけに、対応できる技工士さんの数が少ないのというのも現状。そんな中、信頼できる歯科技工士さんに出会えたことが当歯科医院にとって、本当に大きな財産だと思っています。
原因の追究と改善
いくら完璧に治療したからと言って、そもそも、歯が悪くなってしまった原因を改善しなければ、また同じように虫歯になってしまいます。
そのため当院では、虫歯や歯周病が発生してしまった原因を追究し、2度と虫歯にならないように、それぞれの患者さまに合った予防方法や、ご自宅でのケアの仕方をサポートさせていただいております。
「毎日、しっかりと歯を磨いているんだけど虫歯になってしまう。。。」
患者さまから、このようなご相談を受けることがあります。
多くの場合は、「磨いている」つもりでも「磨けていない」のが原因ですが、じつは「虫歯になりやすい体質」ということもあるのです。
例えば、唾液の量が多くてサラサラしている人の場合、唾液の洗浄・殺菌作用により、虫歯菌や歯周病菌の繁殖を抑えてくれるのですが、唾液の用が少なくてネバネバしている人の場合、その洗浄・殺菌作用が働かず、虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。
虫歯や歯周病になった原因が違えば、予防法も違います。ご自身のお口の中の環境や体質を把握することで、自分に合った予防法を知ることができるのです。
唾液検査で解ること
項目 | 説明 |
---|---|
唾液の量 | 量が多ければ多いほど、お口の汚れを洗い流してくれる自浄作用が高まりますので、虫歯になりにくいといえます |
唾液の中和力 (唾液緩衝能) |
通常、お口の中は中性に保たれていますが、食事をするとお口の中は酸性になり、その酸により歯の表面のエナメル質が溶かされてしまいます。 ですが、唾液には、お口の中を中性に近付ける「緩衝能(中和力)」と呼ばれる働きがありますので、この力によってお口の中が酸性から中性に戻り、再石灰化され、溶かされたエナメル質が修復されます。 この力が弱い場合、お口の中が酸性の状態が長く続いてしまうことになりますので、虫歯になりやすくなってしまいます。 |
唾液の中和力 (唾液緩衝能) |
通常、お口の中は中性に保たれていますが、食事をするとお口の中は酸性になり、その酸により歯の表面のエナメル質が溶かされてしまいます。 ですが、唾液には、お口の中を中性に近付ける「緩衝能(中和力)」と呼ばれる働きがありますので、この力によってお口の中が酸性から中性に戻り、再石灰化され、溶かされたエナメル質が修復されます。 この力が弱い場合、お口の中が酸性の状態が長く続いてしまうことになりますので、虫歯になりやすくなってしまいます。 |
虫歯の原因細菌の数 | 一言で「虫歯菌」といっても、その菌の種類により、どんな風に虫歯になりやすいのかが違います。 ミュースタンス菌:この菌が多いと、虫歯の発生率が高くなります。 ソブリヌス菌 :この菌が多いと、虫歯が繁殖しやすくなります。 ラクトパチラス菌:この菌が多いと、虫歯が再発しやすくなります。 |
歯周病の原因細菌の数 | 歯周病菌には非常に多くの種類があり、いまだに働きが良く解明されていないのも含め、約500〜800種類の菌があるといわれております。 唾液検査では、歯周病菌の中でも、特に慢性歯周病に大きくかかわりとされているP.g.菌, T.f.菌, Td.菌、そして、心内膜炎を引き起こす原因となりやすいA.a.菌、さらに、思春期や妊娠時に増えやすいP.i.菌の量を測定し、それぞれのリスクの高さを調べます。 |
ストレスも虫歯の原因に?
ストレスが原因で虫歯になる、というと、驚かれる人も多いと思いますが、実は、ストレスと虫歯は密接に関係しています。
ストレスにより虫歯菌への抵抗力が弱まる
例えば、強いストレスを受けることで、唾液の分泌量が減ってしまったり、体の抵抗力が落ちてしまったり、新陳代謝が悪くなってしまったりすると、虫歯菌への抵抗力が弱まってしまいますので、虫歯になりやすくなります。
このようなストレスは一時的なストレスの場合がほとんどで、休養や気分転換などで解消される場合が多いですが、その状態が長引けば長引くほど、虫歯リスクも高まってしまいます。
歯ぎしりによりエナメル質が破壊される
また、歯ぎしりや食いしばりなども虫歯の原因になります。
歯ぎしりや食いしばりをしている時にかかっている力の大きさは、なんと100㎏以上。その力で毎日、長時間に及び、上下の歯がぶつかり合い、こすれ合っているのですから、当然、歯の表面のエナメル質も破壊されてしまいます。
エナメル質が破壊されてしまうと、歯の内部に虫歯菌が侵入しやすくなり、虫歯にもなりやすくなってしまうのです。
ストレスから歯を守りましょう
当院では、このような歯ぎしりや食いしばりによるエナメル質の破壊を防ぐために、ナイトガードの使用をおススメしております。
ご自身では歯ぎしりをしている自覚がまったくなかった患者さまでも、ナイトガードの装着をお願いしたところ、数カ月で穴が開くほどにすり減ってしまい、患者さまご自身、とても驚かれていらっしゃったケースもあります。
ストレス社会と呼ばれる現代、ストレスをまったくなくすことはほぼ不可能。
音楽を聴いたり、体を動かしたり、本を読んだりなど、ご自身なりのストレス解消法を見つけ、ストレスとうまく付き合いながら、同時に、ご自身の体を守る対策もしっかりと行うがとても重要です。