より美しい口元に。審美歯科治療
- 金属よりも硬い、ダイヤモンドに近い強度がある。
- 光透過性が高く、透明感のある歯を作成できる
- 医療用としても使われているほど生体親和性が高く、体にやさしい歯科材料といえる。
- 金属アレルギーを起こさない、メタルフリーの治療が可能
- 天然の歯よりも硬いため、噛みあう相手の歯に負担をかけることがある。
- 従来のセラミックに比べると、若干審美性が劣る場合がある。
美しさと機能性へのこだわり
「審美歯科」というと、ただ単に「白くてキレイな歯を入れる治療」だと思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
もちろん、キレイな歯を入れることは当たり前。当院では、キレイな歯をより長く、より快適に使っていただくために、見えない部分にまで徹底的にこだわった治療を提供しています。
7〜10倍サージテル高倍率ルーペとマイクロスコープを使用した精密審美歯科
美しく長持ちする歯科治療を実現するためには、拡大視野での治療は必須です。
当院では、マイクロスコープ(21.3倍率)や、サージテル高倍率ルーペ(7~10倍率)を使用し美しさや適合性に徹底的にこだわった治療を行っております。
気を付けたい、歯と歯茎の間の「ブラックマージン」
「前歯の歯と歯茎のつなぎ目の部分に黒い隙間ができてしまったので治したい。」
当院にも、このようなご要望で来院される患者さまが多くいらっしゃいます。
この黒い隙間は「ブラックマージン」と呼ばれ、加齢により歯茎が下がりかぶせ物の金属が露出してしまった場合や、かぶせ物の適合が悪かったことにより細菌が繁殖してしまった場合によくみられる現象です。
前歯の場合は特に目立ってしまうので、人前で笑えなくなってしまったりと精神的にも良くありません。
ブラックマージンを防ぐポイント
ブラックマージンが現れてしまうのを防ぐには、大きく3つのポイントがあります。
クラウンと歯茎の境目が見えないようにするためには、その境目を歯茎の下に隠してあげることが理想的です。
ですが、境目を歯茎の下に設定するには、土台を形成する際に歯を歯茎の下0.5mm程度まで削り込む必要があり、これを肉眼で正確に行うには非常に難しいのが現状です。
また、クラウンをセットした後には、歯とクラウンの境目からはみ出たセメントをキレイに除去していく作業が必要ですが、これが歯茎の下に設定されている場合、セメントを除去する作業に関しても肉眼で行うことは困難です。
このような問題から、境目を歯茎の下に隠すのが理想的ではありますが、多くの医院ではそこまでこだわれない、というのが現状のようです。
当院では、マイクロスコープや7〜10倍のサージテル高倍率ルーペを使用しながら拡大視野での治療を基本としておりますので、境目も目立たぬよう、しっかりと歯茎の下に隠した状態に仕上げることが可能です。
ブラックマージンのもう一つの原因として、治療に使われている素材に含まれる金属が挙げられます。
適用内での治療や、自費治療であってもメタルボンドなど歯の裏側が金属でできた素材を使う場合、治療後、加齢などで歯茎が下がってしまうと、その金属部分が露出して黒く見えてしまうことがあります。
このような場合には、かぶせ物の素材として金属を使用しない、オールセラミックによる治療を行うのが効果的です。 これにより、たとえ歯茎が下がってしまった場合でも金属部分が黒くなって見えるということがなくなります。
金属が審美性に影響を及ぼすのは、クラウンの裏側に使われているものだけではありません。クラウンの支台となる「コア」に含まれている金属も、ブラックマージンの原因になってしまう可能性があります。
これは「メタルタトゥー」と呼ばれるもので、クラウンやコアに含まれている金属が溶けだして、歯肉に染み込んでしまう現象です。
これを防ぐには、「ファイバーコア」という金属を使用しないものを使用することが効果的です。もしもメタルタトゥーが出来てしまった場合は、金属を取り除いても黒ずみは消えませんので、別途レーザーなどを使用して黒ずみを除去してあげる必要があります。
シリコン材料による印象
歯医者さんに行くと、ゴムのようなものをお口に入れて「歯型」を採りますよね。
一般的にはピンク色の「アルジネート印象材」と呼ばれるものが使われておりますが、実はその印象材にもいろいろと種類があります。
主な印象材の種類
粉と水で練り合わせて使われるものです。比較的安価な材料のため、一般の保険治療では大抵、この印象材を使用して型を採ります。
天草などから抽出される寒天が原料の印象材です。こちらも比較的安価な材料のため、保険治療で使われることが多いです。
細部の再現性に優れているのですが、強度がないため、ちぎれたり、変形したりしてしまうため、上記のアルジネートと合わせて使われることがほとんどです。
価格が高い材質ですが、非常に「精度」の高い歯型を採ることができます。
印象材の精度とは、いわゆる「歪み」がどれくらいあるかを数値で表したものですが、その数値で比較すると
シリコン:0.3% 寒天:1.5% アルジネート:2.8%
と、圧倒的にシリコンの方が精度が高くなっています。
当院では、自費治療にはなってしまいますが、シリコン材料を使用した型取りを行っております。これにより、さらに隙間や段差のない、精密な治療が可能となるのです。
強度・審美性・安全性に優れたジルコニアセラミック
ジルコニアとは、医療用としても10年以上前から人工関節の骨頭などに応用されているぐらい優れた生体親和性をもっている歯科材料として注目されている素材です。
ジルコニアセラミックのもっとも大きな特徴として挙げられるのが、非常に高い強度と透過性。
従来のセラミックに近い透過性と美しさに加え、従来のセラミックの3倍以上の、ダイヤモンドに近い強度を誇る素材です。
従来のセラミック治療の弱点を補填
今までのセラミックの場合は、非常に美しい透過性を持っているものの強度が低かったため、歯ぎしりやかみあわせが強い場合などは対応することができませんでした。
ですのでそのような場合には、裏側に金属の裏打ちをしてその上にセラミックを焼き付ける「メタルボンド」により治療を行うのが一般的でしたが、その場合、どうしても金属で光が遮られてしまうために自然な透明感がなくなってしまったり、ブラックマージンが露出するなどの問題も生じておりました。
ジルコニアセラミックの場合、ダイヤモンドに近い硬さの素材ですので、金属の裏打ちをしなくとも高い強度を維持することが可能です。
それに加えて高い透過性を持っていますので、透明感のある強固な人工歯をつくることが可能なのです。
ジルコニアフレームによるオールセラミック治療
ジルコニアのデメリットをカバーする治療法として、まずジルコニアでフレームを作り、その上にセラミックを焼き付けて歯をつくる「ジルコニアフレームによるオールセラミック治療」が挙げられます。
表面にセラミックを焼き付けることによって自然な透明感や色合いを表現することができ、かつ、噛み合う相手の歯への負担も軽減させることができます。
しかしながら一方で、このジルコニアの特性を有効に活用するためには、 フレームのデザイン設計や適合させるための技術などが必要なため、歯科医師や技工士側の技術に大きく左右されるのが現状。ジルコニアで治療を行ったからといって、必ずしもきれいで長持ちする歯ができるとは限らないのです。
まずは歯科医院にて、精密な歯型の採取を行います。
CAD/CAMシステムによりスキャニングを行い、噛みあう力の圧力なども考慮しながら完全オーダーメイドのジルコニアフレームを設計・作成します。
歯の色調に合わせて調合した100種類以上のセラミックパウダーをフレームの上に焼き付け、熟練の技により自然な色合いに仕上げていきます。
熟練技工士の立ち合い
当院では、審美歯科治療は、患者さまのご要望やイメージを歯科医師、歯科技工士がしっかりと共有し、一緒に形づくる情熱が大切だと考えています。
一概に審美といってもそれはただ白くする事だけではなく、歯並びや歯の形も含めて患者さまがイメージしているキレイな口元である必要があります。さらに、他人からの見ても美しい、自然な調和のとれたものでなければなりません。
そのためには技工士も、写真や模型だけで確認するのではなく、実際の目で形や色合い透過性などを確認し、患者さまとコミュニケーションをとりながらイメージや要望を共有し、形にしていく必要があると考えております。
普段は裏方の仕事とみられがちな技工士さんですが、審美歯科治療において腕の良い歯科技工士は絶対に欠かせない存在なのです。