2018年3月10日更新
被せ物の安定には、歯の縁部分の“のりしろ”『フェルールの確保』が重要です。
東京都 調布市 京王線 柴崎駅南口正面 あきら歯科 院長 伊藤 玲です。
今回は、被せ物(補綴物)の分野から
歯の縁部分の“のりしろ”『フェルールの重要性』を考えます。
『フェルール』とは、神経を抜いた歯(失活歯)に被せ物を装着する際に、被せ物の縁よりも上に健康な歯牙部分が存在することです。
簡単に言うと、ビンの蓋をする際に必要な『のりしろ』部分です。この『のりしろ』が無ければ、ビンの蓋は安定しません。蓋には『のりしろ』が欠かせないのです。
ペットボトルの蓋には、『のりしろ』部分にネジの切り込みがあることで、よりしっかりと締められ、安定します。残念ながら、被せ物ではペットボトルのように切り込みを入れることはできません。
その為、『のりしろ』という『フェルール』を獲得することが、『被せ物の安定』には欠かすことのできない必須条件なのです。
この『フェルール』によって得られる効果を『フェルールエフェクト(帯環効果)』と言い、歯根破折を引き起こす力から抵抗することができます。
十分な『フェルールエフェクト』を獲得するには、高さと幅が十分に確保されていることが必要です。しかしながら、むし歯の進行により十分な『フェルール』を確保できない場合が多くあります。そのような場合には、歯冠長延長術(Crown lengthning operation)や矯正的挺出(Extrusion)などの方法で『フェルール』を確保します。
なかなか患者さんには実感しにくい場面ではありますが、このような歯に対する配慮や工夫が大切と考えています。
あきら歯科
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