2018年2月9日更新
新型タバコ・電子タバコは受動喫煙の影響がないの?お口にも影響あるの?
東京都 調布市 京王線 柴崎駅南口正面 あきら歯科 院長 伊藤 玲です。
今回は、喫煙者の中でブームになっている『新型タバコと受動喫煙』について考えます。
新型タバコとは、従来の紙で巻かれた燃焼式タバコとは異なるタバコ製品で「非燃焼・加熱式タバコ」と「電子タバコ」に分類されます。
- 「非燃焼・加熱式タバコ」は、葉タバコを加熱することにより、ニコチンを含むエアロゾル(微粒子が気体中に浮遊している状態)を生じさせてたものを吸引。
- 「電子タバコ」は液体(ニコチンを含むもの、含まないもの)を加熱してエアロゾルを生じさせたものを吸引。
しかし、ニコチンを含む液体を加熱するタイプの電子タバコは、日本では医療機器として取り扱われるため、一般には流通していません。日本で普及し始めているのは、IQOS(アイコス)を始めとするPloom TECH(プルームテック)、glo(グロー)などの非燃焼・加熱式タバコです。
これらの新型タバコについて、日本呼吸器学会は見解を発表しています。
「健康に悪影響がもたらされる」「受動吸引による健康被害が生じる」可能性があることを指摘し、新型タバコが普及しつつあることに対して、警鐘を鳴らしています。また、新型タバコについて誤解があるとし、「煙が出ない、あるいは煙が見えにくいので禁煙のエリアでも吸える」「受動喫煙の危険がない」「従来の燃焼式タバコより健康リスクが少ない」とは言えないと指摘しています。一方で、この見解の中でも「これらの新型たばこの使用と病気や死亡リスクとの関連性についての科学的証拠が得られるまでには、かなりの時間を要します」とも述べられています。
喫煙が歯に与える影響とは?
喫煙が口腔内、歯周組織に与える影響について考えてみると、ニコチンによって歯周病のリスクが増加すると考えられます。
ニコチンには血液を収縮させる働きがあるため、ニコチンを摂取すると体の細部にまで酸素や栄養が送られにくくなってしまい、これが歯を支えている歯周組織にダメージを与えます。
さらに、免疫機能を低下させてしまう働きを持っているため、歯周病菌の働きを活性化させてしまいより悪化してしまいます。
喫煙者は非喫煙者の3倍も歯周病にかかりやすいといわれています。
電子タバコの受動喫煙による害はあるの?
電子タバコを喫煙中、蒸気は空中に拡散していくため、従来のタバコと同様に受動喫煙の害があります。
ここ調布市でも歩きタバコ禁止条例や受動喫煙ゼロ運動が進んでいます。もちろん、電子タバコも同様の規制があります。
電子タバコの主流煙(使用者が吸い込む煙)の中には、従来のタバコとほぼ同じレベルのニコチンや、揮発性化合物(アクロレイン、ホルムアルデヒド)などの有害物質が含まれると言われています。また、加熱によりエアロゾルを生じさせるときに、ニコチン以外のリキッド成分が複雑な混合物を経て発がん性物質に変わることも指摘されています。
このような物質を体内に取り込むことになる以上、「新型タバコ」でも、喫煙者は「健康に悪影響がもたらされる可能性がある」という見解のようです。
受動喫煙に関して、日本禁煙推進医師歯科医師連盟が発表した緊急声明では、「人が吸い込んだ空気の1/3程度は、そのまま吐き出され」ることから、「加熱式たばこから吸い込んだエアロゾルも同様に吐き出され、周囲の空気を汚染する」と指摘があります。
室内で加熱式たばこを吸ったときに同じ室内にいる人が暴露する1ミクロン以下の微小粒子の数は紙巻きたばこの1/4である、とする研究結果があげられています。
つまり、「煙が出ない、あるいは煙が見えにくいので禁煙のエリアでも吸える」「受動喫煙の危険がない」は大きな誤解であり、「受動喫煙による健康被害が生じる可能性がある」ということになります。
また、これらの物質が高温の蒸気になったときの害についてもまだ解明されていません。
長年の嗜好品である喫煙をやめることって難しいですね。喫煙が口腔内、歯周組織に与える影響について考えてみられることをお勧め致します。
日本禁煙推進医師歯科医師連盟の加熱式タバコに対する運営委員会緊急声明:
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