バヌアツ共和国『無歯科医の島/タンナ島』での歯科医療ボランティア活動 2016.7.6-18
今回、1年ぶり2度目のバヌアツ共和国歯科医療ボランティア活動に再び参加させていただきました。
昨年と異なることとして、首都のメインホスピタルを見学し、首都の歯科医療の現状や環境、現場で働くDr.の生の声を聞きたくて、『無歯科医の島/タンナ島』での活動前に首都ポートビラの総合病院VCH(Villa Central Hospital)を見学する機会を得られました。
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首都ポートビラの総合病院VCH(Villa Central Hospital)は、日本の支援により設立された医療機関であり、バヌアツ共和国において最も大きく、充実した総合病院であります。中古の救急車などもドネーションされています。
歯科診療については、診療ユニット2台でDr.3~4名で約50人/日を診療しているとのことです。主な診療内容は、抜歯、充填処置、義歯製作などがメイン。機材に限界があり他の治療メニューを増やすことは困難である様子。遠方から来られる患者も多く抜歯によって痛みだけでも改善してあげることができることでも大きな意味があると現地Dr.は言う。
今、VCHの歯科で必要なものは何か?と聞くと『患者の待ち時間が長く、待ち時間に暇つぶしできるようなTVシステムや予防プレゼンテーションできるようなプロジェクターなどのシステム環境が欲しいとのことでした。
なかなか、歯科への予算配分が少なく、スムーズに機材を購入できる状況では無いようであるとのことでした。
また、オーストラリア・ニュージーランドなどの他国から機材を発注しても、直ぐには届く環境に無く困ることもあるとのこと。
JICAより派遣されている医療機器の修理担当のエンジニア:上田さんとVCHでお話しできる機会があり、医療機器の修理の状況やJICAの活動、現地での生活など興味深く聞かせて頂いた。
見学後に、本部より持参した歯科医療機材などのドネーションを心良く受け取って頂いた。
午後は、現地保健省のRory氏の案内でNCD(Non communicable disease:非伝染性疾患) の予防推進パレードに参加しました。
近年のバヌアツ共和国の発展とともに、食生活の欧米化が益々進み日本でも問題視されている高血圧症、糖尿病などの成人習慣病が多く発症し始めています。そんな中、歯周病などのお口の中の疾患も増えているようです。
未だ、歯磨きの習慣など予防への関心が薄いとJICAメンバーの保健指導教諭宮西さんがお話されていました。そして、首都での検診活動などの必要があると言われていました。
首都ポートビラでの学校検診・予防活動の必要性やポートビラの総合病院VCH(Villa Central Hospital)の現状を知ることは大きな意義があると感じました。そして、次回は新たなる首都での活動もできたらと思う次第です。
『無歯科医の島/タンナ島』での活動は、今回、事前に我々の活動を告知する張り紙がレナケルホスピタル内に張り出されていたことで、初日から受診希望者が多く来られました。また、学校検診へは、今回は1校のみでありました。他の学校関係者の方からマーケットで声をかけられ、検診依頼を受けましたが、メンバーを診療部と検診部の2つに分けられるほどの人数ではなかったようで、診療部門を優先することとなり、学校検診に時間を割くことができませんでした。次回は、学校検診も多く可能になるよう活動できるメンバーが増えることを期待したいところです。 活動期間中、天候にも恵まれ、最終日まで、スタッフ全員健康に、不調にならず元気いっぱい活動できました。 そして、また現地の皆様の暖かい笑顔と感謝の気持ちを頂戴して、心温まる活動ができましたことに嬉しく思うとともに、感謝致します。 不在期間中には、診療できず大変ご迷惑おかけ致しましたが、患者様や他スタッフの暖かいご理解とご支援によって、無事に活動ができたことに大変感謝致します。
NPO法人JDM ジャパンデンタルミッション 会員
あきら歯科 院長 伊藤 玲
歯科医療ボランティア活動にご興味のある方は、こちらをご参照下さい。
NPO法人JDM : http://www.japandentalmission.org/pc-top.htm
バヌアツ共和国:https://ja.wikipedia.org/wiki/バヌアツ