歯ぎしり、食いしばり
- 詰め物が頻繁に取れる
- 何度治療しても、また虫歯が出来てしまう
- 知覚過敏で冷たいものが歯にしみる
- せっかく入れた歯のセラミックが割れる
ストレスから歯を守る
突然ですが、あなたのスマートフォンやipadには保護カバーを付けていますか?
あるマーケティング会社の調査によると、現在、スマホに保護カバーを付けている人の割合は約80%に上るそうです。それはきっとおしゃれも考えてのことと思いますが、もう1つの理由は「大切なものにキズを付けたくないから」ではないでしょうか?
スマートフォンやipadと同じように、永久歯はとても大切なもの。幼稚園年長・小学生低学年から生えはじめ何年、何十年と使わなければならない歯です。また、さまざまな外力に耐えながら、24時間365日、必死で頑張っています。
当院では、二度と生えてこない永久歯は、スマートフォン以上に大切なものと考え、歯にも専用の保護カバーを付けることをおススメしております。
歯ぎしりや食いしばりは、さまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。
上記のような症状に思い当たる節はありませんでしょうか?
もちろん、まったく別の原因かもしれませんが、歯ぎしりや食いしばりが原因で上記のような症状が出ることもあるのです。
成人の約90%は睡眠時に歯ぎしりをしていると言われております。
本来、動物にとって「噛む」という行動は、攻撃性の表現。それゆえ人間は睡眠中にストレスを発散させるため、歯ぎしりという行動をとっていると考えられています。
つまり、歯ぎしりは決して悪いことではなく、ストレス発散のための重要な機能として考えるべきものです。無理やり歯ぎしりを止めようとすると、ストレスの発散がうまくできずに逆に体の不調につながってしまうという事にもなりかねません。
そこで大切なのは、「歯ぎしりをコントロールする」ということ。
噛み合わせを調整したり、ナイトガードというカバーを装着して、歯ぎしりからの負担を軽くしてあげることが大切です。
大切なのは、力をコントロールすること
健全な口腔内環境を維持するには、歯周病菌や虫歯菌などの細菌のコントロールと同じぐらい「力のコントロール」が重要です。
力がかかればかかるほど虫歯の進行が早くなりますし、力のかかる歯が歯周病になれば、その歯はすぐにグラついてきてしまうからです。
そしてその力をコントロールするには、良い噛み合わせを作ることがとても重要。
悪くなった歯だけを治療するのではなく、一口腔単位でお口全体のバランスを見ながら、精密で繊細な噛み合わせを調整してあげる必要があるのです。
あなたのお口にこんな信号は出ていませんか?
亀裂(クラック)
歯に過度のねじれや横の力がかかることで亀裂が生じます。その亀裂は、目に見えるほど大きなものから、肉眼では確認できないほどの小さなものまでさまざまです。
その小さなヒビから虫歯菌が侵入して虫歯になってしまったり、最悪の場合は歯が割れて、抜歯しなければいけなくなってしまうケースもあります。
いったん歯にヒビが入ってしまうと、自然に治ることはありませんし、むしろどんどん大きくなってしまいます。少しでも早く治療をし被害を最小限にとどめるとともに、ヒビが出来てしまった原因を改善することが大切です
くさび状欠損(知覚過敏)
くさび状欠損とは、食いしばりや歯ぎしりなどの強い咬合力が原因で歯と歯茎の境目(歯頚部)に引っ張り応力が集中し、くさび状に発生する欠損のことです。
歯の表面を守るエナメル質が欠損してしまうため、冷たいものがしみるなどの知覚過敏の症状も出てくることが多くあります。また、歯の生え際の部分に発生するために目に付きやすく、審美的な問題にもつながってしまいます。
対処法としては、プラスチック(CR)などで欠損部分を埋めて修復するという手段が考えられますが、その歯にかかる力のコントロールを行ってあげないとすぐに脱落してしまうことがほとんどです。
くさび状欠損から亀裂に発展し、破折につながるというケースもありますので、なるべく早く原因を追求し、強い咬合力からいかに歯を守るかを考えなければなりません。
骨隆起
骨隆起とは、歯茎にできるこぶのような硬い骨のふくらみを言います。食いしばりや歯ぎしりが強い方に多く見られる症状で、顎の骨に過度の力が加わり、その刺激によって骨が盛り上がってできると言われております。
骨隆起は痛みを伴うものではなく、また病的なものでもありませんので放置していても問題はありませんが、徐々に大きくなっていきますので、発音や飲食に支障が出るようでしたら切除する必要があります。
ただし、切除してもまた徐々に大きくなってしまうため、マウスピースで歯や骨に過度な力が加わらないよう、守ってあげることも大切です。
ストレスから歯を守るナイトガード(マウスピース)
「歯ぎしり」は、無意識の中の生体反応ですので、私たちにできることはその無意識の生体反応に抵抗することしかできません。
そこで、上の歯列にナイトガードというカバーを装着して就寝します。
普段、歯ぎしりをしている自覚がなかった方でも、ナイトガードの装着をお願いしたところ、数カ月で穴が開くほどにすり減ってしまい、患者さまご自身、とても驚かれていらっしゃったケースもあります。
もしも、ナイトガードを付けていなかったら・・・。樹脂に穴をあけてしまうほどの力が歯にかかり続けていたことになります。
お口の中の過酷な状況には、患者さまご自身、なかなか気が付きにくいもの。当院では、患者さまに現状をご理解いただけるよう、そして、よりご自身の歯に関心を持ってもらえるよう、さまざまツールを使ってわかりやすくご説明することを心掛けております。
そして今後、どのように歯を守っていくか、患者さま一人ひとりと一緒に考え、最適な治療を提供して行きたいと考えております。